保護世帯生徒への支援は本人だけをターゲティングしていたのでは解決しない。

生活保護:埼玉県、受給世帯対象に高校生の無料学習教室
県社会福祉課によると、11年度に県内の高校に入学した受給世帯の742人のうち、同年度末で中退したのは51人、6.9%で、全体の中退率(3.1%)の2倍以上だった。51人の約6割が無職と答え、高校中退が「貧困の連鎖」につながる可能性が浮かび上がった。

簡単にいうと、
生活保護世帯の高校生たちは、
一般世帯と比べて、中退率が2倍であり、
その中退者はその後、6割が職に就けていない。

というデータだ。

これは正直、目から鱗的な驚きというよりも、
そうだろうなあ、という裏付けデータが出たな、
という印象だろう。

このデータの興味深いところは以下だ。

受給世帯の中学生を対象に無料学習教室を開き、
参加者の高校進学率(同年度)は97.5%と受給していない世帯とほぼ並んだ。


高校入試というスタート時の足並みは、
学習支援により十分揃えることができるということだ。
これはなかなか頼もしいデータであるし、
施策の成功として、多いに評価したいところだ。

そういえば、僕が昔、某地方自治体の生活保護世帯の支援をしていた頃、
福祉事務所の合い言葉は「中3を全員全日へ!」だった。

書くまでもないが、
福祉事務所は定時制と通信制は、
中退しちゃうからダメだと言っていたのだ。

しかし、一般世帯並みに高校に入学させても、
卒業させられなければ意味がない。
(ないこともないと思うが話がややこしくなるので)

中退者が多い理由を、
記者は以下のように記してる。

保護世帯は親らによる中退への歯止めが弱い。

多分、記者はこの事実をどう書こうか、頭を悩めたに違いない。

世帯が盤石ではなく、
踏ん張りどころになってないのだ。

中退は学業不振よりも、遅刻欠席が痛い。

保護者自身が低学歴であったり、
中退者であることが、
世帯の学校への押し出し力を弱めている。
このことは、刈谷剛彦をはじめ、多くのデータが語るところだ。

この“歯止めの弱さ”と思春期が重なり、
様々な付随した問題を、これでもかと生徒が呼び込む…。

そしてある日、どこかでぷつりと糸が切れたように自棄になり、
中退してしまう…。

「どうせうちは生保だから…」

この言葉を何度か聞いた。
そして、僕はこの言葉を今後どれだけ聞くのだろうか?

どう頑張り、足掻こうが、底なし沼からは抜けられないんだよ。

これは、保護世帯の生徒たちの心メッセージだろう。

何が言いたいのか。

本人だけをターゲティングした無料学習教室では、
中学生のようには成果は出ないだろう、
ということ。

高校生には、卒後の進路、就職、夢という問題が付きまとう。

これが、アルバイトで初めて稼いだ給料が収入認定された時に、
音もなく崩れ、高卒というキャリアパスの意味が失われる。

生徒の自立は世帯分離という、
世帯を含めた問題と切っても切れない問題なのだ。

この地続き感をイメージ出来れば、
無料学習教室で行うべきは、リアルな実態を伴ったキャリア教育なのだ。

くどいようだが、
それが「保護世帯生徒のための積立て型バイターン」である。

彼ら彼女らの踏ん張りどころを、
地域の皆さんと協力しながら作る。

僕はそこに貢献していきたい。
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