「もう少し様子を見ましょう」から「今は充電中」までの間にできる社会的ブランクは誰のせいか?

不登校になった生徒の保護者によく投げかけられる代表的な言葉は、
「もう少し様子を見ましょう」だという。

そして、ひきこもりの我が子の相談に行った病院等でよく言われる代表的な言葉が、
「今は充電中」だったりする。

例えば小学4年生(10歳)で不登校になり、卒業式だけ出て卒業し、
中学は入学式には何とか行ったもののその後3年間不登校だったが、
卒業だけはさせてもらったとか。よくある話。

この間、言われ続けるのが「もう少し様子を見ましょう」だ。

通信制の高校に入るがあっという間に中退。
中退で学校という所属を失った途端に不登校という肩書きはひきこもりに変わった。
これもよくある話。

学校に行かないなら働くかということで、
母のコネでアルバイトを始めるものの三日で辞めてしまい、
そこから2年間のひきこもり。年は18歳になった。

心配した母が心療内科に相談に行くと先生がこう言った。
「今は充電中ですから、もう少し待ってあげましょう」
充電が完了したら必ず動き出しますからという無責任な暗黙の太鼓判に、
ここから母は4年待った。としよう。

そしてこの4年が竜宮城の様に、実にあっという間だったりする。
本人は小学校以来、集団行動を知らない22歳になっている。
社会的ブランクは一昔を越えて12年。ほんとよくある話。

待ち切れなくなったというよりも、自分の老後が心配になり出した親は、
ひきこもり支援をしているNPO法人に相談に行った。
母の促すに渋る子ども。
とある親の会では「自分のタイミングで動き出すのが一番」
なんてことを聞いた母も押しが弱く、
支援機関に現れたのは25歳を前にした春だった。

社会的ブランクは15年になっている。

ほんと浦島太郎状態とはこのことだな。
発達に課題を持っていると見立てた若者を前に支援者はどうしたもんかと思う…。

ああ、雑作もなく書き連ねてしまった、腐るほど聴いてきたよくある話。

振り返ると。親は不登校期とひきこもり開始期の大抵2回、SOSを出している。
そしてそれを一度目は「もう少し様子を見ましょう」でいなし、
二度目のひきこもり開始期は「今は充電中」でかわされてる。

親はこの現実から逃げ出したい。
よく考えたら地獄の様な日々をごまかしごまかし生きてきた。
でもこれじゃダメだよね、と奮起して誰かのドアをノックする。

のっそりと顔を出したやつはこういう「もう少し様子を見ましょう」と。

逃げ出したい現実にまたとない口実が与えられ、
ぬるま湯の中で手首を小さく切ったような7年間の先送りが開始する。

やばいよ、ほんとうに死んじゃうよと駆け込んだ病院で、
医者は目も合わせずにこう言った「今は充電中」と。

おまえらなんなんだよ。

日本の社会は「他人に不都合を与える人」に対しては異様に厳しいが、
「他人に不都合を与えない人」には異様に寛容な社会だ。

そしてひきこもりの若者は得てして「家族に不都合を与えない人」として、
涙ぐましい努力をしていたりする。

誰が悪いではなく、
この日本社会の自明としてひきこもりという現象があるような気がする。


(以下追記)

支援者としてどうすればいいかということをちゃんと書いておこうと思います。
まず僕がこのような相談を受けたら最低限以下のような言葉を付け加えます。

「もう少し様子を見ましょう。そのかわり◯◯まで今のままだったらもう一度面談しましょう」

◯◯には「修学旅行に行けなかったら」や「夏休み」などの節目として、
そこまで変化がなければ学校以外に行ける場所(セカンド・プレイス)の提供を模索すると思う。

「今は充電中なので、もう少し待ってあげましょう。ただし本人の納得感のある期日を設け、
それまでに自らの力で現状を変えれないようなら支援機関の利用を考えようとして下さい。
そのときはまたご相談にいらしてくださいね」

ポイントはいつまで末のか、待ってもダメな場合の次のアクションへのアドバイスです。
本人と会えるなら,本人を交えて約束をしてみるべきだと思います。

ちなみに保護者セミナーを1月26日(日)@関内さくらWorksで開催します。
より具体的なアドバイスを致しますので、よろしければご参加下さい。
http://sharecoro.com/seminar/seminar.html
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