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文化資本と社会資本をつなぐ「2.5プレイスモデル」(前編)

前回のエントリーの冒頭部分と合わせお読みください。
貧乏子育て論「トイレ本は文化的シャワー」


フランスの社会学者ピエール・ブルデューは、
人間の持つ資本を、以下の3つに分類した。

①経済資本
②文化資本
③社会関係資本


そしてこれらの資本を多く持つ人ほど、
進学や就職において有利であり高い社会的地位につくことができるとした。

東大生の親の年収 950万円以上が51.8%(東大家庭教師友の会)
というデータを引き合いに出すまでもなく、
経済的資本が文化的資本(学歴)を築く主要なファクターになってる。

逆に言えば、経済的資本を持たない貧困世帯の子どもたちは、
塾にも行けず、参考書も買ってもらえない。
或いは家族(就学)旅行に行き、見たこともないような青い海に感激したり、
異文化触れ合える機会を持つことができない。
(私の住む団地には海を見たことのない子どもたちが多い…)
(生活困窮世帯が多い学校では修学旅行に行けない生徒が多くいる…)

よってブルデュー的に言えば、
経済資本を持たない者は、進学や就学に不利であり、高い地位に就くことができない。
ということだ。

重要な点は、
頑張っても報われにくい後期資本主義の縮小経済下では、
これが格差として固定化しやすいということだろう。

これをオルデンバーグの「3rdプレイス」の概念に置き換えてみたい。

オルデンバーグは「3rdプレイス」とは、
都市に暮らす人々の生活空間を以下の3つに分けた。

・1stプレイス=家
・2ndプレイス=学校や職場
・3rdプレイス=地域コミュニティ


都市生活者が豊かな生活を送るためには、
イギリスのパブ、フランスのカフェ、ドイツのビアガーデン、日本の居酒屋?など、
「心のよりどころとして集う場所」、即ち3rdプレイスが重要な空間であるとした。

簡単に言えば、家と学校(職場)以外に行ける場所が大事ということ。

家と会社の往復しかしていない3rdプレイスを持たないサラリーマンが、
定年退職で2ndプレイスである職場を失うと、
一気に1stプレイス=家に閉じ込もり孤立する。

巷では孤立した団塊世代が地域に出る「団塊デビュー」という課題が持ち上がっている。
孤独死が50〜70代の男性に多い(最多は定年時期の60代)のを、
3rdプレイスを持たない大人の現象と捉えてもいいかもしれない。

同じように、3rdプレイスを持たない高校生が中退や進路未決定で、
2ndプレイスである学校を失うと、
一気に孤立し、課題が長期化するなかでひきこもりや反社会的な行動をとるようになる。

中退リスクは、経済資本を持たない世帯に多いことは、
一般世帯に比べ、生保世帯の中退率が倍も高いことでわかるだろう。
これは文化資本への執着、或いは好奇心の持てなさだといえる。

そして知的・社会的な⽂化資本を持てないと、
社会的に孤立してしまいやすいという事実は様々な報告書が伝えている。

ブルデューのいう社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)を3rdプレイスと捉えてみる。

経済資本=1stプレイス
文化資本=2ndプレイス
社会関係資本=3rdプレイス


そして我々のような自立支援を行う者のゴールが、
進学・就職を中心とした自己実現や夢や希望の達成だとすると、
いかに1stプレイスしか持たない若者に2ndプレイスを通じて、
3rdプレイスを持ってもらうか、ということがミッションである。

そして高等学校や大学(2ndプレイス)での予防的支援は、
2ndプレイスと3rdプレイスをつなぐ接続支援であり、
「田奈Pass」や「バイターン」は接続支援のソリューションモデルの提案である。

それを僕らは学校内の“溜め”である「2.5プレイス」と呼んでいる。

25プレイスモデル

(つづく)

今月末の日本教育学会で、
神奈川県立田奈高等学校の学校司書であり東京大学大学院生の松田ユリ子さんと
僕の「田奈Pass」のパートナーでもある、
(社)インクルージョンネットよこはまの鈴木晶子さんとの共同研究として、
「高校生の潜在的なニーズを顕在化させる 学校図書館での交流相談」
 〜課 題 集 中 校 に お け る 事 例 的 研 究〜

の中で「2.5プレイスモデル」を発表させていただくことになっています。
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