『月給制の壁 』〜移動できない日払い労働者たち〜

俺は27歳までフリーターだった。

ライフラインが料金未納で全滅し、
バイトしてた横田基地沿いのガソリンスタンドに、
当時の彼女(今のワイフ)と水を汲みに行ったり、
ある時はガスが止まってダルマストーブの上でお湯を沸かしたり…。

今思えば、とんでもなくワイルドな生活をしていた。
それにしては、不思議と食えなくて腹を空かしていたという記憶が全然ない。

考えてみれば、俺はそんなにグルメじゃないから、
一食抜いてでもレコード1枚買いたいガリガリの若造だった。

そういえば俺も日払いのバイトで食いつないでいたなあ、
と思い出す話を今日聞いた。

人は、今の境遇や地位から移動できないとどうなるか?

努力をしなくなるのだ。
いや、努力ができなくなると言った方が適切だろう。

今日、俺に話を聞かせてくれた方は、
「負け癖がつく」という言い方をしていた。

日払い派遣で食いつないでいる若者たちが、
日払い派遣から抜けられない理由はいくつかあるだろう。

その一つが『月給制の壁』だという。

その日暮らしで所持金数万、或いは数千円の状態から、
月給制の会社(バイト)に務めた場合、
最大で30~45日間給料が入らないことになる。

これを考えると、月給制の仕事に移行することができない。

なるほど、そういえば俺もそうだったような気がする。

途中で金が尽きて、キャッシングに手を出してたりして、
結局そのバイトもケンカしてクビになってドツボにハマった…。

そして、俺にはギターのローンが常に付きまとってたから大変だった。

今は、いいことか悪いことか、
俺の時よりお金は借りにくくなっているようだ。

専門性があれば低スキルの仕事に滞留する必要はなくなると、
識者皆さんは言うが、月給制の壁が立ち塞がる以上、
その専門性を獲得をすることはできない。

求職者支援訓練も、
ひと月の出席状況に応じて支払われる仕組みである点と、
そもそも独り暮らしの日払い労働者は、
10万円の生活給付では、仕事を辞めてトライすることはできない。

税金に対して大変失礼であるが、
そんなものじゃ、彼らのインセンティブにはならないのだ。

前払い制の生活給付がなければ、
或いは、給料前払いの仕事がなければ、
彼らは日払い派遣から抜けることはできない。

そんな働き方をしている労働者の平均年齢が30代だという。

そんな移動不可能な若者が、
いったいどれだけこの国にいるのだろう?

そして、そんな彼らもいつか、さらに安い外国人労働者に仕事を奪われてしまうのか…。

気が重くなる話だったが、
これがこの国のリアルだ。

これが何を意味しているか皆さんおわかりだろうか?

もはや就労支援だけでは支援にはならないということだ。

俺たちは何をゴールに支援をしていけばいいのか…。


追記
Facebookの方で、日払い派遣が悪いのか、蔑視していると
お叱りを受けたが、僕はそんなことを思っていません。
むしろ派遣労働なくしては立ちゆかない日本の社会情勢や、
企業の経営課題が歴然としてある事実や、
働き方としてその方が都合がいい場合もあります。

僕の考えは非正規雇用が悪なのでではなく、
非正規から抜け出せない、移動不可能になる日本の雇用慣習性と、
この国を支える人材育成という視点が欠如している点に
問題意識を持ち書いています。

このような考えが、
教育的アルバイト「バイターン」発想の基礎にあります。
ご理解いただければ幸いです。
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