2013年11月

定時制高校の生活保護世帯の生徒に対するバイターンを使った自立スキームの提言

就職を希望する高校生のための、
有給職業体験バイターンの新しい可能性が見えてきています。

何週間か前に定時制高校の先生と福祉事務所に行き、
生活保護受給世帯の生徒の自立について話し合って来ました。
その生徒は在学中に正社員を目指しバイターンを開始しそうなのです。

僕からケースワーカーにお願いしたことは以下です。

その生徒がバイターンを開始し内定が9月に取れたとしたら、
その時点で世帯に居ながら世帯分離して下さい。


これが叶うと、生活保護から抜けるので、
収入認定されず10月から3月までの給料を貯蓄させ、
卒業と同時に一人暮らしをすることができます。

仮に12万円稼いだとして、4万円を生活費にしたとしても、
48万円(8万×6ヶ月)が貯金でき、
敷金礼金等のスタートアップに30万使ったとしても、
その後多少安心して生活は可能です。

また、在学中のアルバイト(バイターン)からの就職ですので、
職場定着は約束されているようなものです。

担当のワーカーは前例のないことだが、
本人の自立を考えれば提案のようになることが理想的であるとし、
内定が出た時点で、
世帯分離について会議に掛けてくれることを約束してくれました。
(世帯分離の決定は担当ワーカーの判断のみでは決めれない)

前例がないことなので、通るかわかりませんが、
通ればバイターンを活用した生活保護世帯の定時制高校生に対して、
新たな自立のスキームが誕生したことになります。

このケースのポイントは、対象となる生徒が、
定時制高校の生徒=勤労青少年ということです。
日中にフルタイムに近い就労が可能であり、
世帯分離後の安定した自立の可能性が高い点にあります。

仮に全日制の場合で、
放課後の時間を利用した短時間のアルバイトだと、
仮に9月に内定が出たとしても卒業と同時の世帯分離は、
早期離職のリスクが高いので世帯分離という判断はでません。
(生保から抜けてダメならまた入るという手続はしたくないようです)

ましてやこの場合、在学中のアルバイトの給料はすべて収入認定になり、
卒後すぐに一人暮らしという流れは作れません。
(控除により2万くらいは手元に残りますが貯蓄は厳しいでしょう)

一般的に生保世帯で内定を取った場合も、
卒後、生活保護に入りながら控除でコツコツとお金を溜めて、
8月くらいに世帯分離をするというケースが一般的だと、
そのワーカーは言っていました。
(独居を前提に同居しながらの世帯分離を認めている自治体もあります。
ちなみに川崎市はありで、横浜市はなしです)

僕はちょっと嫌味っぽいですが、
「でも、その8月までもたない子の方が多くないですか?」
とワーカーに言ってみたら、やはりそういうケースも多いようです。

生活保護世帯に子どもたちは、様々な自立阻害要因により、
結局、生活保護から抜けられず貧困の連鎖に取り込まれていくのです…。

貧困の連鎖から脱却するためにも、
定時制高校で以下のような取り組みをすることを提言します。

1.9月16日から就職を前提とした有給職業体験バイターンを行う。
2.1ヶ月を目処に働きぶりを評価していただき内定通知書を企業からいただく。
3.それをもとに福祉事務所内で世帯分離を認める会議を開催し決定する。
4.11月から3月までの間一人暮らし資金を貯蓄する(目標30万円程度)。
5.卒業と同時に一人暮らし開始。

上記は就職協定違反にはならない形での提案になっています。
また、理想的には9月16日以前からバイターンを開始していた方が、
職場への定着が進み、
生活保護法で言われている「自立の助長」に貢献する仕組みになるはずです。

この点については、上記提言で成功事例が出ていく中で、
就職協定の一部見直しの動きが起きればと考えています。

仮にこの提言により生徒が自立を果たすと、
社会的インパクトとしては以下のようなことは起こります。

彼らが18歳で生保を抜けず80歳まで保護費をもらい続けると、
8万円×744ヶ月(62年)=59,520,000円の保護費がかかります。
これに加え、医療費等が加算されますし、扶養家族から世帯主になると、
さらに保護費は高くなるでしょうし、受給する家族が増える可能性もあります。

一方、18歳(高卒)の生涯納税額を調べてみると、
少なくとも3000万前後は納税する見込みだという。
そしてこの方たちが結婚し子どもを産むこともあるでしょう。

この提言には、僕の気づいていない落とし穴もあるでしょうし、
上記の計算も単純なものに過ぎません。
しかし、ここには大いなる可能性が秘められていると確信していますし、
講演会でこの話をすると、多くの方が共感して下さいます。

福祉事務所での水際作戦を行ったり、
受給者中に稼働年齢層に集中的な就労支援を行うよりも、
18歳で高校を卒業するときに生活保護からの卒業させれる仕組みを実行した方が、
社会的な効果は高いのではないでしょうか?

現場のケースワーカーの皆さま、
私の認識不足等ございましたらコメントでご指摘いただければ幸いです。



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就労支援現場で施設長をしている臨床心理士さんへ

とある就労支援機関の終礼。
その日来所した方々の気になる点や変化成長が共有され、
次回来所時の注意点や支援方針も語られる場です。

その日、僕がある方の気になった点と支援方針を伝えると、
心理系のスタッフが「それ、なんか怖いです」と言いました。

この一言で終礼の場の空気が変わりました。

「それをすると何か怖いことが起こる…」
という恐怖心が他のスタッフに伝染したのです。

この発言自体、もう少し責任を持った物言いにするべきだとは思いますが、
僕はそれを責めるのではなく、
この一変した空気がなんなのかを共有しないと、
キャリア系と心理系が同居するチームとして不味いなと思い、
僕は自分の気持ちをほんの少し語りました。

要するに、僕らキャリア系スタッフには見えていないものが、
心理系スタッフには見えていて、それを「怖い」と言っちゃう。
そう、背後霊が見えちゃう友人のように怖いんです、それ。

臨床心理士をはじめとした心理系のスタッフたちの発言に、
キャリア系スタッフは単純にビビっている
んですよね。

このビビリをこれまでキャリア系のスタッフは、
誰も表明して来なかったんじゃないかな?
僕はちゃんと言いますよ、「君たちは怖い!」
何気ない発言がキャリア系スタッフを凍りつかせているんです。

そのビビリをキャリア系スタッフがぐっと飲み込むことで場の空気が変わる。
その空気が敵対心や不信感を生んでいるんです。

そして、ただ心理系であるというだけのスタッフの
「なんか怖いです」が場の空気を一変させる力を持っているわけですから、
そこに役職という権力が付いたらどれだけ怖いか…。

特に現在のようなキャリアの浅いスタッフが多い就労支援業界では、
恐らく誰も反論できないのではないでしょうか?

就労支援の現場で活躍する臨床心理士をはじめとした心理系スタッフは、
どうかこのことに自覚的になってほしいなと思います。

そしてベテランスタッフや理事長なんかも同じことを意識するべきです。
かくいう僕もベテランスタッフで社長なので気をつけなきゃだと自戒したいと思います。

心理の目とキャリアの目、
或いはベテランの目と新人の目、更には男の目と女の目などがあって、
僕らは彼らを自立に導くという仕事をしているんだと思います。
どこかの、目に強く偏らず、お互いの目線を尊重しながら、
今日もいい仕事をしましょう。

【イベント告知】はにかみ屋のための語りBAR「Yokohama Shyness Night」2013.12.2(MON)

しゃいねす.png


イベント名は細野さんの「東京シャイネス・ボーイ」に掛けました。
今後、はにかみ屋さんたちが喜んでいただけるのなら、
飲み会イベントを定期的に開催していきたいと思います。

ちょいとかっくらって恥ずかしくて顔が赤いのか、
酔っぱらって顔が赤いのかわからない感じで楽しみましょう。

今後時間設定や料金設定は微調整していきますので、
ゆるくお付き合いください。

尚、この「語りBAR」のアイデアは、株式会社C60の谷藤さんにお会いし、
いただいたマニュアルを見ながら構想し、途中何度か相談させてもらいました。
この場からお礼を言わせて下さい。谷藤さんありがとう!

では、お申し込みはこちらからどうぞ。
info@sharecoro.com
7名という少人数ですので、定員に達し次第締切りますので、
お悩みのはにかみ屋さんは、思い切ってメールちょうだい!

若者たちは「根性がないんじゃなくて、踏ん張りどころがないんじゃないですかね?」

僕を若者たちの擁護者と見立ててか、
おじさんである僕が「おじさん」と思う年齢の方々から、
若者への苦言を呈されることがたまにあります。

参考までに、おばさんから言われることはほとんどありません。
おばさんからはウチの息子や娘への苦言が多いですw。

おじさんいわく、最近の若者は根性がないんだそうです。

う〜ん…、確かにそういう若者もいますよね。
でもそれって、あなたもの世代でも言われてませんでしたか?
よくあるジョークですが、発掘された遺跡の中に、
イマドキの若者への苦言が記されていたらしいですよ。
かく言う私も「新人類」なんて呼ばれた世代ですしね。

なんてことは口にせず、
「データを見ると若者の早期離職は世相に関係なく、
昔から一定数は辞めているみたいですよ」
と軽くジャブを打ちます。
厚労省の「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」を見れば一目瞭然です。

そんな軽いジャブの後に、
「根性がないんじゃなくて、踏ん張りどころがないんじゃないですかね?」
という僕の実感を話ます。

これは、右肩上がりの時代の頑張れば頑張っただけ生活が豊かになった時代から〜、
なんていうものとは違う、もっとリアルな実感なんですが。

タクシー運転手への度重なる暴行事件や、
駅員が乗客に執拗にイチャモンを付けられている暴力的光景を見るにつけ、
この国の一部の人々は接客・サービス業全般を舐めきってるという現実が
厳然としてあるように思います。

この接客・サービス業を舐めきってる人々と、
若者に苦言を呈する人たちの因果関係が急に気になりだしましたが、
それは置いといて。

接客・サービスはバイトにさせておいて、社員は管理だけしてるという、
飲食や小売業界の業態に見るにつけ、
求められるサービスの質の高さと労働価値が乖離していると感じませんか?

そして、そのようやサービス業に就く(就かざる得ない)人と、
管理者等マネージャーになる人の差に学歴やそれを底支えする経済資本が影響していると思うんです。

単純に、学歴や経済資本に関係なく就ける仕事が、
サービス業や単純な製造業という傾向が背景にあるわけですが、
社会的に尊敬される職とされない職がある程度学歴や家庭環境で決まってしまう。

ITバブルというものがあったものの、
その環境から成り上がりにくくなった固定化し階層化された社会が今だと思うんです。

そして、大卒というブランドが崩壊している今、
大卒でも無業になるかならないかのぎりぎりのところに、
セーフティネット的に接客・サービス業があることも現実であることを思うと、
学歴に関係なく、尊敬される仕事就くことが難しくなってきている、
といえるんじゃないでしょうか?

僕はここで踏ん張りどころ=尊敬や敬いだと定義して語っています。
接客・サービス業から尊厳を奪っている社会に踏ん張りどころはあるのでしょうか?

ちなみに学歴別の30代失業率は中卒13・3%、高卒7・2%、大卒3・5%と、
学歴が低ければ低いほど高くなってます。
これは、尊敬されない職に就く確率が学歴が低いほど高いといえるのではないでしょうか?

僕が常々言っている「仕事は何をしているかじゃなく、誰としているか」というのは、
今後、どんな仕事をしているかよりも、どんなコミュニティに属しているかが重要になる、
そんなキーワードになっていくんじゃないか、
そのときにおじさんも若者もそこに共存共栄できるようなマインドセットが、
今すごく必要なんじゃないの?という思いを強く持っています。

異論反論いろいろ出そうな中途半端なエントリーになりましたが、
若者=根性なしというおじさんたちとこういう話でお酒飲んで、
熱くならずにお互いを労いあえるような、そんなネタ提供というところでご容赦を。

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